YELLOW

好きな曲に耳を澄ます

何を歌っているのか

言葉はずっと分からない

でも勝手だけど、分からなくてホッとしている

聴くたびに違う詩を作ることが出来るから

自分のために

いつでも

不思議なことにその時の気持ちによって

浮かんでくる言葉が違う

都合よく形を変えて

空いた穴を埋める 

だからこの歌がある間は

探したら見つけられる

 

 

 

ひとりで海を渡る人は

息をひそめ

遠くでパラシュートが

ゆっくりと落ちていくのを見ている

遠い昔のことをぼんやりと思い出しながら

 

朧げなもの

それは一人きりの海には必要ないと知った

湧き上がる心の色は

流れ出てしまったところで

このブルーには変えられない

着水して広がった漣が

存在していたことを少しだけ話した

 

沈むことも浮上することも

受け入れなければ難しい

 

この船が手放せないままだから

どこにも行けないで

全部忘れられない

 

必要が無いとしても

漣を探す

隣では日が昇り

イエローの中で

初めてその海は

息をした

 

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