彼らの背負っているもの

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ベトナム戦争の記録」

監督:ケン・バーンズ、リン・ノヴィック

 

昨日やっと観終わりました。

10話18時間、

これまで知ってると思ったことが覆って、

ほとんど全てが変わったし

まだちょっと放心してる感じ。

 

ずっと観たかったんだけど、

もともと海外版しかなくて諦めていたら

まさかのNetflix に字幕版がありました…

 

ベトナム戦争の殆ど始まりから

収束したとされる所まで

ここまで丁寧に描いてる作品は無いと思う。

(まあ18時間なので。。)

 

無数の側面と

無数の人々をクローズアップして、

そして沢山のインタビューがあった。

 

「本当の戦争の話をしよう」を書いた

ティム・オブライエンがインタビューに

出てきたときはびっくりした。

それに「ワンスアンドフォーエバー」の

ジョー・ギャロウェイとか知ってる人達が沢山

 

いろんなことが紐付けされてって

一気に引き込まれた。

 

全編通して思ってたのは

「きついな…」ってこと。

こうやって当時から何十年も経って

すごく離れたところから全体像をみると、

どれほど無責任と無計画、

自己愛、差別、嘘

取り返しのつかないことが

止められるはずもなく

混ぜられて進んでいたのか分かるから。

でもそれはいくつもの情報が暴かれて、

精査された結果明確になったこと。

当時時代の最先端を生きていた人達は

混乱の真っ只中本当の真実を知ることは難しく

信じさせられたものを

信じるしかなかったこと。

それを突きつけられる場面ばかりで

きつかった。

 

自分だったらどうだったろう?

自分には何ができるか?

分からないな。

 

なにか言葉で表現するにはあんまりにも

沢山の血が流れ過ぎたんだと思う。

意味を見つけたり

教訓にするのも馬鹿馬鹿しいくらいに。

 

それでもっときついのは、

その後の戦争でもその後の世界でも

この当時と全く同じ構図が

何一つ変わらずに続いてること。

 

 

 

 

映像に合わせて懐かしい

1960、70年代の音楽がいくつも流れた。

ディランやビートルズ、他にも色々…

良さを改めて感じてここ最近ずっと聴いてる。

他の音楽を担当してるのは

Trent Reznor&Atticus Ross。

パトリオットデイ」で彼らの音楽を知ったけど

本当に素晴らしいです。

 

 

映画の最後はティム・オブライエン

「本当の戦争の話をしよう」の中の

「彼らが背負ったもの」を朗読する。

最近読んだばかりで

これにはものすごく驚いて

すごく心が揺さぶられた。 

 

彼らが、あの場にいた全ての人が背負って、

今でも背負い続けているもの。

 

 

ドキュメンタリーだけど

驚きや悲しみだけじゃなく、

たくさんの感情が呼び起こされる作品でした。

 

 

本当に観て良かったし、

観てない自分には

何があっても戻りたくないと思う。

 

 

Netflixで観られるので興味のある方は是非…

(監督のケンバーンズは第二次世界大戦とか、

アメリカの歴史、ジャズについてなど

ドキュメンタリーを沢山撮っていて

そのどれも素晴らしいそう。他の作品も

日本で観られる日がくることを祈ります😖)