Holding The Man

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昨日 Holding The Manを観ました。

  

「ジョンがあの時

どこに座っていたか覚えてる?」

 

「怖いんだ

分からなくなるのが」

 

 

ハイスクールで恋に落ちた二人の15年間

 

 

愛は多分至る所にある、

当たり前だけど奇跡的な姿で。

 

 

二人が最後に辿り着いたのは

病気と早い死、

永遠の別れだったのではなく

 

一番深くまで辿り着いた強い愛と

慈しみだった。

 

1910年、40年代を語ろうとした時に

世界大戦の影がいつも付きまとうように

1980年の終わりから1990年の初めを語る時

エイズはあちこちに現れる。

あの時代 水面下に現れて爆発的に感染し

まだ治療や予防は手探りで、

ほとんどが時すでに遅く

若い世代がごっそり消えてしまうほど

多くの人が亡くなったから。

 

本を読んで

エイズを発症した人々が辿った道のいくつかを

知っているつもりではあった。

でも、この映画を観て得られたことは

もっと個人的な内側のストーリーだった。

 

彼らが、多くが僕と同い年くらいの人々が

自分や大切な人が変わり果てていく過程に

どれほど恐怖だったか

あまりにも突然に

突きつけられる死にどれほどショックで

打ちのめされ、

抗えない波に飲み込まれていくのに

ただ耐えなくちゃいけなかったのか

 

そして

愛し合っていた二人の人生

人生は等しく淡々と過ぎて

近づくほどに

その重みを感じることは少ないのに

ひとり静かに触れたとき

苦しいほど愛おしくて

全てのページに重要な秘密が隠されている事。

 

彼らの気持ちをすごく近くに感じたんだと思う

 

やりきれない悔しさと悲しみ

壮絶な苦しみと 永遠の寂しさ

 

そして愛が

どんな姿をして生に横たわっていたのか

 

静かに語りかけてくる作品でした

 

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Holding The Manは実話で

作者のティムが、

エイズで亡くなる10日前に書き上げています。

お話の中で、恋人のジョンは本当にキュートでほとんど非の打ち所がなく、素敵に描かれている。

これはティムの目に映っていたジョンの姿。

ティムが感じていた彼を通してのジョンの姿。

どれほど彼を愛おしく思っていたのかが分かります。

これはきっと

ティムの思い出の日記であり、謝罪でもあり

二人のアルバムで、

心からのラブレターなんだと思った。

 

 

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