TonyとArgusC3
Tony Vaccaroという、
アメリカの写真家がいます。
彼は第二次世界大戦に
一兵士ながらArgus C3カメラを携帯し
せっせと写真を撮りました。
ライフルは何度も投げ出したそうですが
シャッターだけは切り続け、
大戦中だけで
その数はなんと7000枚にものぼります。
今年の3月、スケッチのために
「Entering Germany」という写真集を買って
好きになった写真家さんですが、
「Underfire」という彼のドキュメンタリーがあると知り
それがあまりにも忘れ難いものでした。
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主に敗戦直後のドイツを撮った写真で
名が知られるようになったTonyですが、
それらを撮ったのはまだ20代前半の頃。
すごい感覚。
作品を見ていると人柄や眼差しが
ぼんやりと見えてくるようです。
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ドキュメンタリーは
彼が終戦直後に見た最も残酷で、
一度はカメラを構える手を下ろしたほどの
悲惨だったある瞬間。
写真に写った今は亡き戦友がきっかけに繋がった驚くべき人びと。
そしてドイツが復興していく姿。
人は何かを抱えて
そして死ぬまでは動き続けるんだって
なんだか分からないけど胸が痛くなった。
彼の使ったArgus c3は
戦前から戦後しばらくまでつくられた
アメリカで特にポピュラーなカメラだそうです。
つくりはとてもシンプル。
1キロ近い四角いカメラはブリック(煉瓦)、
日本ではお弁当箱と呼ばれて親しまれていたようです。
1キロ近くって、かなり重い。
…これを持って戦場を駆け抜けたって、
7000回もファインダーをのぞいたって、
それはどんな感触で
どんな景色だったんだろう?
知りたい…
いつもの悪い癖です…
3000円だったから…
買ってしまった…
影響のされやすさは、もはや病気です…
同じ戦前後にドイツでつくられていた
ライカ3cと比べると
本当に写真を撮ることのみに徹したシンプルさ。
でも、シャッター切るまでのいくつかの動作が少しめんどくさい。
フィルム交換はライカよりずっと簡単です。
(↑ライカ3c)
Tony Vaccaroたちはもたついたりしないで
どうやってこれで決定的瞬間を撮れたんだろう…!
慣れるまで練習と失敗をたくさんしよう。
本当にちゃんと映るのか、
何が映るのか心配と楽しみがあります☺️
ちなみに、映画キャロルのテレーズと
ハリーポッターのコリンが使ってるのもこのカメラでした🌸
言われてみれば、そうだったような…?