ドイツに駐屯していたあるアメリカ軍兵士が作った1945年-1946年のアルバムです。
この方は多分ものすごく几帳面だったのだと思います。
250枚の写真と丁寧なキャプション、軍事新聞や漫画、ライヒスマルク、フランなどの通貨まできっちりと綴じてありました。
(この新聞、なんなんだろう…
船の中で配られる読み物みたいな感じ?
誰か教えてください…)
彼がどこの部隊に属していて、
その部隊が戦時中
どういう任務をこなしていたか、
知れば知るほど勝者も敗者無いような、
でもそういう訳でもないような
複雑な気持ち。。
写真に写った人たちの表情はいろんな事を語っているようで一つとして今本当に理解できることはないのかも知れないとも思う。
(友達と揃ってゴミ箱に入ってポーズを撮ってる楽しそうな写真も沢山ありましたが…) .
まだ爆撃でボロボロの閑散としたドイツの街。
1945年4月に解放されて、生々しさの残る
ダッハウ収容所。
この時これらを撮った彼は
何を感じて、そして
この国の未来をどんなふうに思っていたのでしょうか。
1946年12月
ドイツを去るための船から撮った写真を貼った
最後の見開きぺージの締めくくり、
「Auf Wiedersehen
Deutschland
またね、ドイツ
良い旅を!
Bon Voyage 、この言葉は
この先の未来を生きていく自分とドイツに向けて言ったのかな、
そして
最後の最後には
自分の運命についての言葉が書き残してありました。
はっとした。
紛れもなく、戦争という時代をこえた人の言葉でした。
当たり前だけどかけがえのない事について。
実名が書かれていたので、ぼかしましたが
彼のメッセージ。
「海を越えると
陸地はどんどん遠ざかる。
旅が僕を連れて行ってしまう。
だけど自分には、
故郷があると知っている。
大切な人がいると知っている。
これが僕の運命なんだ。」
戦後ドイツのこと、
復興の過程や
東西に分断された後の人々の暮らし…
僕はほとんど知りません。
だけど
帰国の日に彼が撮った写真、
船が遠ざかり
小さくなって消えていくドイツの土地を見ながら
この先、この国はどんな道を歩んだんだろう…
とぼんやり思っていました。
何でこれまで関心を持ってこなかったのかな。
今さらかもしれないけど、
今日から少しずつ辿ってみたいと思います。
まだ見きれていない写真がたくさんあるので続きはぼちぼち書きます☺️
※ Auf Wiedersehenの彼が書いてる綴りちょっと違うけど、さよならって言ってるので合っているのでしょうか…?