Love Never Dies

The Ward: Gideon Mendel 

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エイズの治療法が確立される前、

ほとんど死が避けられない病だった時代、

病棟で撮影されたある愛や苦悩の姿でした。

 

家族、恋人、医師たちと過ごすひととき。

ここに写る若者は

撮影後間もなく亡くなったそう。

 

全ての心が目に焼き付いた。

 

前書きにあった「愛は不滅だ」という言葉が

頭の中でずっと響いてる。

 

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メディアや政府、社会によって

当時AIDS は麻薬常習者やゲイがなる病だと考えている人が大半を占めていた。

差別や偏見、病気と闘いながら、

そして最後ひっそりと病棟で

愛する人たちと過ごした人々がいた。

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この写真集に写る数名の彼らが

撮影を承諾したのは、

すごく勇気のいることだったと思う。

そして 取り巻く家族や恋人、

医療従事者達にとっても。

写真には思いやりと愛が詰まっている。

患者と医師や看護師達の距離、

家族のための簡易ベッド、

たくさんの私物や大切なもの、

心と心たち、

 

そこには当時一般的に考えられ

恐れられていたイメージは一つもなかった。

 

無知はなんて悲しいことなんだと思う。

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今、現代に辿り着くまでに

いくつものことが織り合わされてるんだと

1990年代のある瞬間を見ながら思った。

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海を越えて会いに来てくれた大切な一冊です。

 

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ジョンと恋人。

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ジョンにまた明日、とキスをする看護師

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ジョンと恋人

(彼の恋人と両親はほとんどの時間を病棟で過ごした。)

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アンドレと彼のお母さん

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初めてエイズについて学んだのは小学校で

大学の時 感染症の授業で大雑把に一通り習った。

当時エイズについて抱いてた気持ちは

合併症のあまりに悲惨な事実と

感染経路についての怖さ

関心は薄くて、

たぶんそれくらいだったと思う。

それで病棟で初めてキャリアの人を受け持った

 

でも、治療してた疾病はまた別で

僕は自分の少ない知識と

先輩達からの教えの通り機械みたいに動くだけ

 

感染対策を厳重にして

採血の時はとくに…みたいな。

差別や偏見についても知識としてはあったから

そういう気持ちはなかったけど

心のどこかで 少なからず恐怖は感じてたと思う

それはたぶん、

本当の意味での知識の無さと知識が無いことに気づいていない無知からくる漠然としたもの。

 

今振り返って

もっと勉強すべきだったと思う。

だって今日1日で当時の何倍も新しい事を、

あのとき知るべきだった事を知ったから。

 

無知が引き起こす誤ちと

手ごろな情報を鵜呑みにして

それを知識と勘違いする怖さ

どんな事にもいえるけど

時々取り返しのつかない事になる。

誰かを大切にすることができるはずない。

なんでいつも後悔ばっかりなんだろうなあ

 

それからたぶん

何度も同じところを浅く触れるみたいに

ぐるぐるしてた

 

1ヶ月くらい前、メンデルの写真展が

チャペルで行われてるのを写真で偶然見かけて

それが忘れられなくて

The Ward を買った。

 

もう一回学び直そうと思った。

遅すぎるけど

手遅れじゃありませんように。

 

今たちどまって

あれこれ読んだり観たり

考えたり書いたりしている途中です。

これまで曖昧にしてたことを

エイズについて、それで

The Wardの全てのページにあった愛について

もう一度考えたい。