1941年ナチス占領下のパリで
ドラというユダヤ人少女が行方不明者として
尋ね人広告に載った。
そして1988年、
偶然広告を見つけた著者が10年をかけて
少女の足取りを探し
そして彼が見つけたものは。
名もなき交じり合うこともなかった
誰かの人生を
自分のルーツとともに辿ることとは
どういうことなのか。はっとした。
ドラを思う著者の眼差しに胸がつまった。
誰かの生きた瞬間を知ろうとする事は
それを取り巻く世界を知る事
そして最後は自分を知る事になる。
手がかりさえ残されていれば
限りなく近づくことができる
だけど
絶対にわからない空白はあって
それが人生の秘密で
それが分かるのは
自分の人生を生き切った
その一番最後の瞬間なんだって思った。