12/10

この世界のどこかに
ジュネやランボー、イェイツやヘッセ
そういう人たちが居たんだって知った、
その瞬間の
世界がすごい場所だったんだと
これまでより魅力的に見える
あの瞬間が好きだ

 

彼らにとって
世界が興味に値して
それにとりつかれたり
飽きたりしながら
生きたと考えたら
それはもう本当にすごいことだ

 

だって
彼らはもっと
銀河の向こうの向こうの
もっとすごい場所に生まれるべき
そういう人たちだって思ったりするから


僕と同じ空気を吸って
同じ体を持ってるなんてさ
信じられるかな

 

でも彼らは本当に地球にやってきて
それで
このどこかに足跡があるって思うと
その延長線に自分も立ってるって思うと
この場所がすごいところだって思える
自分の体に感謝したくなる

 

何か不思議な

ぼんやりした可能性みたいなのを感じる

 

そしたら、
そうだ
ヘッセたちだけじゃないな。
僕の好きな人たち
まだ知らない人たち


彼らだってここじゃなくたってよかったのに
ここへやってきて
それで何かを置いてったと思うと
世界に色をつけたと思うと
それは無数に
散らばって
自分はまだそのほとんどを知らずに
無数の彼らの光の延長で形を保ってるのに
それに気づかずに突っ立って
狭い視野で
苦しんだり悲しんだりしてるんだって思う

 

 

もっといいところなのかもしれないな

 

 


ここはどこだろう?