Land Of Mine

 

一年前、この作品を観に行った。

その時はあまりの虚しさに途方にくれて

エンドクレジットの後も

なかなか立ち上がれなかった

あの時はまだほとんど何も知らなくて

こんなことって…

こんなことって、

そうやってただショックだった

 

日記にその時のページがあったからもう一度振り返ってみる。(ただ、僕の字は恐ろしく下手なので写真はぼかしました…)

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2016.12.21

ヒトラーの忘れもの」を観てきた。

何か言いうことができない。

信じがたいような、

それはすべて誰かが辿ったのだということを

受け止めることができない

どこへも行き場のない気持ちに涙が止まらない。

 

どこまでを語るのか?

物語は、事実は、

深く見つめれば底が無いのが分かる。

抜け落ちてる。

だから、何かを表そうと、

人に伝えようと思ったら

ある深さで底板を張り、

その上に溜まったものをよく混ぜて

汲みあげるしかない。

 

だから、

この物語は、事実は

真実であり、また

真実のうわずみでしかないんだろうな。

 

今何か言葉にしたくて、

何かに心を囚われてるのは

その中心にいるそれを語る1人を見てるだけで

ただその一部に心を動かされただけ。

全てを知ったからじゃない

 

知るためには多くの、とても多くの

一人の物語を

一生探し続ける必要があると思った

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去年の日記を書き起こしてみると、

文章になってないし

切れ切れの呟きみたいなんだけど

多分あの時に

映画館で打ちひしがれた自分は

ある事実のほんのわずかな側面を見ただけでしかなくて

だからあそこで泣いただけの自分の無知が恐ろしくなったんだと思う。

それで一年自分を変えたくて

かなり躍起になってた。 

だけど

その中で出会った人

本達、論文、映像作品たちは

何かを知るほど、その先には無数の扉があって

それは終わらないといつも言った。

だからあの時よりも今は深い泥の中にいる。

だけどあの時とは少し違う世界の見方を知ったと思う。

 

だから、一年たって

もう一度観ようと思った。

もっと遠くから

もう少し彼らの全体をちゃんと見れるかもしれないって考えたから。

 

だけど違った

感じたのは

あの時と全く同じ

虚しい気持ちだけ

同じくらいのショックに

同じくらいの憤り、やるせなさと悲しみ

それ以外になかった

 

結局何を知ったって

人があんな目にあって

ああいう瞬間を生きて

それで死ななくちゃいけないなんて

虚しい以外の何ものも必要ない

 

1945年5月から1945年8月までに、デンマークの主に海岸で

彼らは1402000個の地雷を除去した。

2600人の捕虜のうち、149人が死亡し、

165人が重傷を負い、167人が軽傷を負った。

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これはデンマークに限った事ではなく、

フランスでは1945年夏の時点で1000万個の地雷が埋まってた。

約4万人のドイツ兵捕虜が

除去作業に駆り出され
死者は多すぎて未だに数は不明とされる。

彼らの8割は25才以下の若者で、元工兵もわずかしかいない素人ばかりだった。

 

「朝起きると皆、今日は誰の番かなと話した」

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そして除去したとされる場所を、確認のため

隊列を組んで歩かされた。

 

「端を歩いていた仲間は、見過ごした地雷に両脚をもぎとられ、収容所へ輸送中に死にました。」

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また彼らが戦争の後始末をしたものは無数にあるそう。地雷だけでなく。

ダンケルク海岸は、1940年のイギリス軍撤退時に残した無数の武器や落とされた砲弾など有害物質で溢れかえっていましたがそれも、捕虜たちが除染をしたと聞いた。

 

これらの事を

述べる以外に言える言葉がない

考え出すと終わりがない

地雷の多くはドイツ自身が埋めたものでもあり

彼らが他国に対してしたいくつもの残酷な事実 

そしてそれらに対する

底なしの復讐と仕打ち

 

この映画が語るのは

たぶん

全てのありとあらゆる人が

戦争で加害者になった側面を持ってること

戦争とはそういうものだって事。

そして

敵国だった相手と近付くほど

自分と同じ人だと気付き

心を重ね合わすことができるという

戦争の矛盾

 

それはどうにも虚しい

 

セバスチャンたちは

無事に国境を超えただろうか

途中で捕らえられる人

戻っても  

自宅のあった場所は焼け跡で家族はすべて死んでいた人

みんな何一つ持たずに走った後ろ姿 

その後を考える

 

だけどふと思う

途中で解放されるなんて

実際はそんな事

ほとんどなかったろうな

 

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この下は去年の公開時に描いてたスケッチです。

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参考にした文献とHP

「捕虜」:パウル・カレル

「忘れられた兵士」:ギイ・サジェール

ダンケルクの奇跡」:AJ・バーカー

「データで見る第二次世界大戦」:ピータ・ドイル

https://www.feldgrau.com/WW2-German-Mine-Clearing-In-Denmark

http://www.missing-lynx.com/library/german/denmine/denmine.htm