回想

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スティパンたちのお話は

実在する国や人物名、史実には全く関係が無いけれど

いつもある国の人たちが心にひっかかっています。

 

彼らは戦争に勝ったと言われる側の国で、負けたと言われる国に対して想像を絶する仕打ちをしたことが歴史に記されている。

従軍したあの国の多くの兵士は、

もともと

ちいさなちいさな村から出てきた農民だったそう。

彼らははじめから何も持っていなかった。

贅沢品なんて知らなかった、

知っていたのは農作物の事、極寒を越えること

海を渡ったことも、列車に乗ったこともない人が多く

どこまでも見渡せるのに

どこまでも続く平原が世界の全てだった

そしてその

慎ましい世界はある日叩き潰されて

彼らは戦争へ行った

その時初めて

他の世界があると知ったそう

そして

最後たどり着いた敵だった人達の国

自分達よりずっと発展して

ずっと沢山のものを持っているように見えた

その人たちにどうして奪われなくちゃいけなかったのか

その怒りは恐ろしい嵐みたいだったという

そして

その怒りがほんのわずか去った後

欲望や快楽などの後から

静かな罪悪を感じることもあったそう

 

これは無数の事実の中のほんのひとつ

これは無数の側面のうちのほんの一面

 

全ては説明がつかないし

何か語ろうとするなんてとても出来ないけど

 

ただ

彼らのちいさな故郷が

誰もいなくなった部屋

開けっ放しの窓から入り込む風が

それがいつまでも頭を離れません