WE MUST KNOW WHO.

 

1969年6月、ベトナム戦争の末期

LIFE誌がある特集を組みました。

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「The Faces of The American Dead in Vietnam 

    ONE WEEK’S TOLL」

 

1週間にベトナムで亡くなった米兵士達の

顔写真と名前を12ぺージに渡って掲載した。

 

 

当時ベトナムでは連日の苦しい戦いと

疑問を感じるほど人命が消費され

米国内では厭戦ムードが広がっていたそう、

 

ベトナム戦争で特徴的なのは 

戦況を測るために用いられた

「Body Count」

敵軍とされる側の死者数と

自軍の死者数の比率

 

数字にばかり注目し

その裏に生身の人が存在する事実は

麻痺しているかのように。

 

LIFE誌の特集の効果は大きかったそう、

遠い国で死んだ兵士から

隣の男の子の死へと変わった。

 

たった1週間に死んでいった242人の顔

これは特別だったのではなく、

この頃の平均的な人数だった。

 

 

LIFE社にはいくつもの声が寄せられ

議論が巻き起こった

 

「知っている顔があり言葉を失いました」

 

そこで起きているのは 

お互いに人生を奪い合うもので

数字では表しきれない膨大な重みが失われていた事に気づいた。

 

 

雑誌の存在を知ったのは

ベトナム戦争のドキュメンタリー番組。

こういった取り組みがされた事に驚きました。

ただ、そうまでしないと

事態の悲惨さや深刻さにたいする関心がや理解が得られない事、

そしてこれはアメリカ人に限っているけれど

ベトナム人、また双方に加わっていた各国の人々の死者を考えたとき予想されるその膨大な喪失に心が痛みます。

 

当時の人々が

この冊子を手に取り実際にどう思ったのか

自分でも少しでも感じたくて取り寄せました。

 

僕はここに写る人々を知らないけれど

自分と同じような生活と人生と過去と未来と

それから命があるという事は分かる。

 

それで

それは簡単に失われて

もうどこにも存在しない事

 

ショックというより

ひたすらに疑問、疑問、疑問

 

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More than we must know how many, we must know who.

 

 

 

 

 

掲載された写真は以下のHPから見ることができます。

http://time.com/3485726/faces-of-the-american-dead-in-vietnam-one-weeks-toll-june-1969/