Nothing

映画「ラッキー」を観ました。

Lucky (2017)

監督 John Carroll Lynch

主演 Harry Dean Stanton

共演 David Lynch

 

 

誰かの手紙を読んでるみたいだと思った

すごく大切な人の 書き置き

 

冒頭、彼の歩く姿に「パリ、テキサス」の

長い放浪のシーンが重なった

 

あ、帰ってきたんだ。

(文字にするとなんだか変だけど

家族が帰ってきたみたいに自然に感じた)

 

もうこの時点で僕はちょっと泣いてたと思う

 

スタントンは大好きな俳優さんで、

本当に好きで

それは僕の知らない歴史を沢山持っている

まるですごく分厚い、

本棚の上の方に読まれないで置いてある

本のような人だったから

 

この映画で彼は、

ラッキーという人生の終わりに差し掛かった

1人の人間を演じています

 

演じている…

どこまでがラッキーで

どこからがスタントン自身なのか

2人はどんどん重なっていったから

もう最後、自分には見分けがつかなかった

 

 

映画の枠組みをはみ出て

話しかけられてるみたいでもあった

どこかの喫茶店  2人きり

一番端っこのボックス席に向かい合って

 

長い人生で構築された死生観

そしてそれでもやってくる

終末期のぼんやりとした恐怖

 

仏教の教え

 

失って、

失ったことを受け入れる事

 

第二次世界大戦

 

スタントンがWW2で

沖縄へも行ったことは知っていたから

ラッキーがそれを語ったときはっとした

 

この映画は

言葉で

ある人の人生

 

その長い長い道を垣間見た

 

そしてそれが終わりに差し掛かり

自分は何者に果たしてなったのか

 

それがつくられた年月を

どうやって振り返るのか

 

 

ラッキーは

スタントンは

最後にそっと言った

 

一生忘れられない表情で

 

涙がどんどん出て

でもどうしてか

理由はまだはっきりと分からなくて

 

ああ そうか

それをこれから自分は探すんだろうな、

 

そう思いながら

 

僕はその本を

静かに本棚に戻した

 

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ps

質問箱にあたたかいお言葉をくださった方々

本当にありがとうございます。

全部大事にします。

お返事、どこかでできたらと思っています。