フランツを探して1

2月に骨董屋さんから

第二次世界大戦にあった

ドイツとソ連の戦争、東部戦線(独ソ戦)

を撮った古写真を買った。

 

ドイツ国防軍の一砲兵(または部隊付きのカメラマン)が撮ったものらしい

 

写真は、

ドイツの老舗印刷メーカーAgfaの箱に入ってた。

ボロボロで今にも崩れそうな赤い箱。

 

開けようと触れたら手が震えた。

 

 

東部戦線は人命が最も消費された

特に悲惨だったとされる戦争、

人的被害は多すぎていまだに正確な数字は分かっていない。

概算では1941年から1945年までに

民間人を含む死傷者は

ソ連2200万〜3000万人

ドイツ500万人〜1000万人

(第二次世界大戦での日本の死者数は約310万人でした)

 

僕は多分ある本の影響だけど

一番興味を持っていて

一番知りたくて

一番描きたいと思っていること

 

自分がそれだけのめり込んでいるからなのか

分かんないけど

手が震えたのは

その時の空気が部屋中に広がって

この箱に70年前触れたのが誰だったのか

一瞬その姿が見えた気がしたから。 

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写真は350枚くらいあって

その全部、これまで僕が見た東部戦線の写真とは全然違ったことに驚いた。

それで、

戦争の写真だからこの表現は適切じゃないのかもしれないけど…

 

この人の写真が好きだって思った

 

眺めてたら日付が変わっていた。

これまでは戦争の写真を見ることは

辛くて息苦しい事がほとんどだった

 

長い間見ていられたのは

 

それは多分

明らかに戦前写真を学んだ跡があって

的確な構図なのもそうだけど

余白とコントラストが心地よかったこと。

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心がえぐられるような写真

それと同じくらい

風景や部屋に飾ってある花を

たくさん撮っていたこと

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友達を撮る時の

フレーミングや光の取り入れ方のやさしさ

 

それは

写真を何も知らない僕にも伝わってきて

 

これを撮ったのはどんな人なんだ?

 

何を思ってた?

そればかり気になって

ぼんやりと何時間も眺めてた。

 

これらを撮った彼自身のことを

知りたいと思った。

どんなことでもいいから。

 

自分でも

こんな興味が湧くなんて想像してなかった。

ただ東部戦線の、当時印刷された

その空気をもったままの写真に触れてみたかっただけだったのに。

 

こんなにも惹きつけられたのは初めてだったから。

 

だけど

どうしたら彼を知ることができる?

 

手がかりはその時はまったくなくて

唯一は箱と一部の写真の裏に書かれた

殴り書きみたいなドイツ語らしきメモ

 

 

彼を探し始めてから

たった一ヶ月の間に

今でも信じられないような事が

起こって、

そして起こらなかったんだけど

まだそれは突き当たりではなくて

 

その過程で知り合ったドイツの方に

まるで映画だねって言われたけど

そんなにロマンチックなものでもなくて

 

色々区切りをつけようと思ったら

後2年はかかりそうだから

始めだけ書き出してみました

 

この先は絵にしようと思っているけれど

いつになるやら…