あさがくるまえに

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今年一番の映画に会いました。

あさがくるまえに

 

自分と勝手にリンクするところを沢山見つけすぎて

途中からいろんな思い出が嵐みたいによみがえってきた。

 

学生のとき、移植コーディネーターの方が授業で何回か来てくださってて

彼女から聞いた話を実際に映画の中で見ることができた

それは強い信念を持った思いと

完全にプロフェッショナルなもの

 

移植は

レシピエントとドナー間で行われるものだけど

その2人の間には

すごく、本当に沢山の人達が関わってる

襷リレーのように 

誰かが欠けても

手を抜いてもそれは達成できない

全てが揃っても 100%とは言い切れない

 

目覚めたとき、

それは関わった全ての人達のエネルギーが

受け取った臓器を動かしているともいえるほど

 

心臓移植は他の臓器とは違い

命の受け渡しだと思う

そしてそれは脳死の患者からのみ提供され

ある意味で

もう一度生き返らせる事であり 

本来の摂理全てに逆らっている

すごく現実離れした、なにか神がかった作業にも思えた

 

ドナーとなる人は

本人の意志表示がない場合

家族の同意が必要だけど 

その決断はあまりにも重くて 

こんなにも苦しい

僕の家族は全員意思表示カードをもってるけど

その大切さと

万が一について大切な人と話しておくことは

絶対に必要だと改めて思う

 

レシピエントは

手術が終われば全てが終わりではなく

そこから拒絶が起こらないように

免疫抑制剤を飲み続け

抵抗力の弱くなった自分を守り続ける必要がある

そして

通院しコントロールしなければならない事を

忘れてはいけないけど

 

それでも

新しい日々は確かに始まるんだと、

ラストの彼女の表情が教えてくれた

 

 

僕は第一希望の病棟には配属されなくて

偶然配属された場所が移植外科だった

それだけなんだけど、

自分ががむしゃらに

辛くて毎日死にそうになりながら

すごく視野が狭い状態でやってたことたちが

 

映画で

少し離れた場所から

それをもう一度見返して

ああ、そうだったんだって

はっとして

 

忘れたいことも

忘れたくないことも

全部が何一つ無駄じゃなかったんだなって

今思えた

 

あの時死にそうになりながら学んだことや

あの時出会った沢山の人達が

今映画に紐付けされていって

どんどん深いところまで

自分の想像が1人で歩いていって

泣けて泣けて仕方なかった

 

この映画では、家族や、恋人、愛についても丁寧に描写されていて

移植というテーマから、

人間の根源、最も大切な事を思い出させてくれ、

 

最後まで、途切れなく続くと

誰もが信じている生 

 

人々は関わり合いを通してさまざまな反応を

常に引き起こしているのだと気づかせてくれる

素晴らしい作品でした

 

 

もっと命について

また、

隣人や名前も知らない誰かのこと

考えなくちゃいけないし

考えたいと思えた

 

出会ってくれてありがとう 

 

p.s.

大好きなNils Frahm が使われた瞬間、

エンドロールで流れたボウイの

「Five Years」

時間が全て止まったし

この映画は本当に

特別だって思った